藤田寛之から
こぼれる言葉SPECIAL CONTENTS

2020.06.30更新

誇りに思っています。|藤田寛之からこぼれる言葉 this week Fujita297

2020.06.30 this week Fujita 297

初優勝を飾った97年シーズンは、僕にとって特別なシーズンでした。
優勝した後の10試合はすべて4日間プレーできましたし、すごく楽しかったんだと思います。だいぶ前なので細かいことは忘れちゃいましたが(笑)。

この年は初優勝だけでなく、賞金シードを取った年でもあるんです。
若かりし日の僕は、自分が優勝するようなプロゴルファーになれるとは思っていませんでした。だから、実を言うと初優勝の後も2勝目なんて考えていませんでした(笑)。それよりも、1年でも多くシードを取って少しでも息の長いプロゴルファーになりたいというのが目標でした。
賞金シードを取るのって、優勝とかに比べると地味に見えるかもしれませんが、何千人とプロがいる中でたったの60人くらいしかもらえないものですからスゴイことなんです。
僕は現在、23年連続で賞金シードを持っていますが、50歳までシード権をキープできていることは自分でも誇りに思っています。これは並大抵のことではないな、と感じています。

その記録が始まったのが、この97年なんです。
初優勝や賞金シード獲得も含め、よい結果を残すことができ、プロゴルファーとしてグレードが一つ上がったシーズンです。一方で、98年や99年はあまり覚えていないので(笑)、やっぱりこの年は特別な1年だったんですね。

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投稿者: 藤田寛之オフィシャルウェブサイト 事務局

2020.06.23更新

人間としての大きさ。|藤田寛之からこぼれる言葉 this week Fujita296

2020.06.23 this week Fujita 296

前回は1997年の『サントリーオープン』での初優勝のお話をしましたが、今週は優勝を決めた後のことを思い出してみようと思います。

優勝をするとスポンサーの方にご挨拶をしたり、メディアのインタビューを受けたりがあるので、試合が終わってから2時間くらいはゴルフ場から出ることができません。あのときそれを初めて経験したわけですが、全部終わって帰る支度をしようとしたら芹澤さんが待っていてくれたんです。
しかも、ロッカーの荷物を出してくれて、靴だけはきかえれば帰れる状態にしてくれていたんです。ゴルフ場の清算だとか、本来なら優勝した僕がやるハウスキャディーさんへの心付けだとかもすべてやってくれていました。もちろん僕が頼んだのではなく、芹澤さんのご厚意でした。今思い返しても、師匠の人間としての大きさを感じた瞬間で本当に有難かったです。
芹澤さんと一緒に帰って、途中のパーキングでうどんを食べたのを覚えています。周りのお客さんから「おめでとう!」なんて声を掛けられたりして、少しずつ優勝の実感がわいてきたような感じでした。

この日、芹澤さんから「優勝したやつは、翌週は絶対に予選落ちするなよ」と言われたのも強烈に覚えています。
そんなこともあって、翌週の『全日空オープン』は無事に予選を突破し、4日間戦うことができました。なにしろ初日は芹澤さんと同じ組だったんですから(笑)!

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投稿者: 藤田寛之オフィシャルウェブサイト 事務局

2020.06.17更新

もうダメだと思いました。|藤田寛之からこぼれる言葉 this week Fujita295

2020.06.17 this week Fujita 295

今年もまた誕生日を迎え、51歳になりました。SNSなどでお祝いのメッセージをいただき、ありがとうございました! またみなさんの前でプレーできる日が来るのを待ちながら、今は葛城でコツコツと頑張っています!

51歳になって最初の「こぼれる言葉」は、初優勝のときの思い出を話そうと思います。1997年9月なので23年前、僕が28歳だったときですね。
この年は下部ツアーで2試合くらい優勝したり、レギュラーツアーでも好成績を残せていて、自分でも急激にゴルフが良くなってきたなと感じている年でした。95年に弟子入りした芹澤さんに指導していただいた成果が出てきたころで、精神的にもいい状態になってきていたんじゃないかと思います。

優勝した『サントリーオープン 1997』では3日目まで14バーディ、ノーボギーで首位。よく覚えているのは、2メートル以内のパターを一つも外さなかったことです。それがあって特別な位置にいられました。
でも、最終日は大変でした。大変なんてものじゃなかったですね。「とてつもない」プレッシャーでしたよ(笑)。もちろん初優勝へのプレッシャーもありましたし、なにしろ後ろからはジャンボさんが追いかけてきていましたからね。
僕がボギーを出した12番でジャンボさんはバーディ。そこから5連続バーディで大先輩が追い上げてくるんです。もうダメだと思いました(笑)。

なんとかしのいで逃げ切るんですが、ウィニングパットを決めたときに思ったのは「うれしい!」ではなく、「もう追いかけられなくてすむ!」という安心感でした。だから優勝の実感もあまりなくて、時間が経つにつれてジワジワ来るような感じでした。終わったときに、ジャンボさんから「おめでとう」と言ってもらったのは覚えています。

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投稿者: 藤田寛之オフィシャルウェブサイト 事務局

2020.06.10更新

行くべき道を。|藤田寛之からこぼれる言葉 this week Fujita294

2020.06.10 this week Fujita 294

新型コロナウイルスの影響でツアーの中止が続いていますが、7月に『JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント』が開催されることが決まりました。公式戦ではないので賞金ランキングなどには含まれませんが、野生の勘を取り戻す場になればと思います。
とは言え、まだまだ油断せずに慎重に行動しないといけませんね!

さて、前回は芹澤さんに弟子入りしたときの思い出を話しました。
もちろん師匠に付いたからと言ってすぐに結果が出るわけではありませんでしたが、気持ち的にはだいぶ違いました。やるべきこともハッキリしてきましたし、行くべき道を迷わなくなりました。
ラウンド後に相談をして練習に付き合ってもらう日々でした。今でもそうですが、練習に関してお願いをして芹澤さんに断られたことは一度もありません。どんな状況でも「いいよ」と言って時間を作ってくれるんです。本当に僕にとって大きな存在です。
今回の写真は、芹澤さんと撮ったお気に入りのものです。普段、師匠に自分から肩を絶対組むとかしません(笑)。そんな貴重な写真です。

96年のシーズンに入ると芹澤さんのおかげもあって、予選を通過する試合も増え、トップ10にも3回入ることができました。でも、力がついてきたな! という感覚は自分ではありませんでした。気持ち的には1年目とあまり変わらず「また上手くいかないんじゃないかな」という不安だらけでした。

今でも不安は常に感じているんですよ。あんまり信じてもらえないですけど(笑)。
僕は自分でも練習量が多いと思いますが、それは不安を感じているからだと思います。それを払拭するために練習するわけです。
ゴルフ以外でも心配性か、と言われると……どうなんでしょうか? 自分ではわからないものですね(笑)。

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投稿者: 藤田寛之オフィシャルウェブサイト 事務局

2020.06.02更新

空いてるから、今からやろう。|藤田寛之からこぼれる言葉 this week Fujita293

2020.06.02 this week Fujita 293

前回の記事で振り返ったデビュー戦は、11位タイと好成績でした。でも、その後は予選落ちが多く、4日間プレーできてもいい結果を残すことができない日々が続きました。
プロ2年目の1994年はトーナメントの出場権が得られず、プロの厳しさを知り自信を失ったりもしました。

覚えているのは、何をやったらいいのか分からなくて、夏前くらいまで練習をしなかったことですね。「つらい」という思いはなかったんですが、どうしたらいいか分からない「迷い」がありました。
なんとか試合に出られるようになってきた3年目の『三菱ギャラントーナメント』。この試合、僕は欠場者がいれば繰り上りで出場できる現地ウェイティングという立場で会場にいました。結果的に試合には出ていないのですが、このときに芹澤信雄プロに声をかけたことが、その後の人生を大きく変えていくことになったんです。

同じ静岡を拠点にしていて、プレースタイルも似ていた大先輩にめちゃめちゃ緊張しながら「今度、一緒に練習をさせてください」とお願いすると、「今日空いてるから、今からやろう」と予想外のお返事。逆にどうしようかなと面食らってしまったほどです(笑)。
質問に答えてもらったり、アドバイスをもらったりした上に、「また声かけてこいよ!」という言葉までもらいました。

そこからは芹澤さんから教わったことを信じて、必死に練習しました。それだけでなく、とにかく芹澤さんの真似をしようと思って、芹澤さんがトンカツを注文すれば「僕もトンカツ!」といった具合でした(笑)。芹澤さんがしていたのと同じ時計を無理して買ったこともありました(笑)。
芹澤さんとの出会いがなければ、その後の藤田寛之はありませんからね。ここから少しずつ少しずつ、レギュラーツアーで戦える藤田寛之に近付いていくわけです。

今回の写真はウェアのマスターバニーエディション10周年の広告です。
芹澤さんが60歳、自分が50歳に・・・。
振り返ると感慨深いですね。

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投稿者: 藤田寛之オフィシャルウェブサイト 事務局

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